2016年5月17日火曜日

東京蚤の市へ行くなど



幸福のかたちがイメージできなくなってしまったとき、ひとはどのように将来への不安や目の前の退屈をやりすごすことができるというのか。この世界はあまりにも心配を煽る材料ばかりで溢れていて、そのことについて考えるだけで手が止まってしまう。幸福のかたちにしても確固たるものがほしいけれど、それは与えられるものではなく、自分で自分のなかからひねり出さなければならないものなのだ。仮に、食べるのに困らないだけのお金があるならば、ともに歩むべき恋人や仲間がいたとしたら何にも悩まずに済むのだろうかと考える。それはどうやら、そうではなさそうだという気がする。問題の本質はそこではないということだ。でも、根が真面目な自分はお金を稼がないといけないと思っているし、社会人としてしっかりしなければいけないと思っている。実際にはその逆のことばかりをしているというのに。いろいろなことを手放したら自分らしくいられると思って手放してきたはずなのに心根では手放しきれなくて自分をふたつに引き裂いているのだ。



5月14日
誘われて、東京蚤の市へ。
インスタグラム!という感じでした。



何も買わずじまいだったが、見かけたトーベ・ヤンソンの絵本が気にかかり、結局、出店者のオンラインショップを探して注文してしまった。


ドイツソーセージとビールの店、バッケン・ウント・ヴラーテンへ。



以前はプレッツェルなども扱ってたのだけどこの数年は作ってないらしい。ソーセージにどんとこいのプレッツェルですが、買えるパン屋ってあんまりなくないですか? それこそドイツ製法のお店でもない限り。幸い、新百合ケ丘にはケルンというお店があります。



関根美有さんの傑作選『はびこる愛』を恵投いただきました。


こちらの特設サイトでは方便の推薦文的なものが掲載されています!! 非常に恐縮&光栄であります。以前、ブック狂というサイトに書いた記事からの抜粋ですね。「日々の暮らしに対する誇りと自信がある。芸術に対する矜持と忠誠心がある。知恵と知識に対する尊敬と実践がある」と書きましたが、つまりはヒューマニズムということだと僕は捉えています。人間が生み出したもっとも偉大であり、いま、もっとも不利なコンセプトのひとつであるといえるでしょう。関根さんの作品はその困難さから目を背けることなく、しかしあくまでも柔和に、問題を乗り越えていきます。本当に、全然難しくないんです。今回の刊行を機に、より多くの人が関根さんの作品に触れることを願っています!



【最近購入したもの】
Neutral Milk Hotel『On Avery Island』
Of Montreal『The Gay Parade』



何回目かの <Elephant 6> ブームです。


Cub Sport『This is Our Vice』


アートワークが <Ghost Photographs> のAngela Deane ですね。

2016年5月12日木曜日

爪や髭が伸びるスピードが

年々はやくなってるのだけどその細胞分裂は一体?死に急いでいるのか?



5月8日
んミィさんと世田谷邪宗門へ。森茉莉がよく訪れていたお店とのことで「森茉莉ティー」なんてメニューがありました(飲んでませんが)。

お目当てはコーヒーあんみつです。


下北沢だと最近は南口商店街の韓国食堂へサムギョプサルを食べにちょくちょく行きます。


【最近購入したもの】

Django Reinhardt & The Guitars Unlimited『Swing It Lighty』


ジャンゴ・ラインハルトの53年(一部47年)のソロ演奏音源に、ギター楽団=ギターズ・アンリミテッドが15年越しでギターオーケストラをオーバーダビングしてしまったという怪盤でして、まっとうなジャンゴファンにはキワモノ扱いではありますが、レス・ポール(偉大なるギタリストであり、多重録音の父)の諸作品がツボな人間にとってはこのうえない内容でございます。ジャケとタイトルが違いますが mp3 ストアにもありました!


ボリス・ヴィアン『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』


まえがきしか読んでません。


マーライオン『マーtodaライtodaオォォォン!!!』


プロデュースを担当した作品でございます。おそらくディスクユニオンの各店に新古品(未開封の中古)が結構な安価で置いてあるはず…。贈答用に2枚。まあ見かけたら何かの縁だと思って買ってみてくださいな。もちろんタワレコ、アマゾンなどで新品を手に取ってもらえればなお嬉し。


岸政彦『断片的なものの社会学』


1日で読み切ってしまった。この本については時間のあるときにまた触れたい。

2016年5月7日土曜日

怪鳥

このところキングダムを読んでるのですが、それはさておき、僕はとある大出版社の下請け的な会社に働いておりまして、すると数千万部レベルで本を売ってきた作家や編集者なんかがわりと近い場所にいるわけで、そういう存在とニアミスするたびに、信が王騎将軍を初めて間近で見たときのように「でかすぎて解からねェ!!!」となります。



前職の上司が唯一買い続けている漫画が『キングダム』らしく当時は「へー」としか思っていなかったのですが、王騎が「武将への道は犠牲の道です」みたいなことを言っていて、この作品がビジネスマンとかにウケる(意識高い系の企業で課題図書になったりしてるらしい。『キングダム』で学ぶ乱世のリーダーシップなんて本も出てる)理由がよくわかったというか、やはり他人の屍を踏み越えていくことに躊躇のない者だけがこの世界ではグルーヴィでいられるということがわかった。



《『ONE PIECE』から学ぶ》ビジネス書や自己啓発書だったらみんなすぐに「ウッ」と感じられると思うんですけど『キングダム』ならオッケー的なところがあるというか、会社の人が『キングダム』を読んでいたら警戒してください(念のため補足しますが『ONE PIECE』も『キングダム』もどちらも非常に面白いですし、好きです。サブカル漫画ばかり読んでるわけではない)。

      


なんだかんだ俺も『キングダム』読んで頑張ろうという気持ちになっているので結局そういうところが少なからずあるのかもしれない。





16巻の「将軍の見る景色です」のシーンには目頭を熱く…。


【買った物】
Staffan Harde『Staffan Harde』


SHE Ye,Ye Records の紹介で知りました。スウェーデンの演奏家らしい。得体の知れないギター音楽ですね。フレージング、空間感覚、すべてが常軌を逸してる。曲名が「Substance 1」とか「Electrification」とか抽象的でカッコよすぎ。ポストパンクなんかまだ存在しなかった時代です。再発されたばかりらしいのですが Amazon などで取扱いがなく、ディスクユニオン通販で注文するもメーカー取り寄せできず、新宿ジャズ館の在庫の最後の一枚を購入。みなさんもなんとかして手に入れてください(もしくは貸してあげます)。

2016年5月6日金曜日

不安にかられたので

冬の憂鬱(昨年12月の記事参照)を乗り切ることができず、転職しました。いまのところ楽しく働いてはいますが、ブラック企業です。日々が何も残さずに過ぎていき、実存的な不安に駆られたため、せめてブログを更新しなければと思いました。



5月1日
ジャ・ジャンクー「山河ノスタルジア」観ました@Bunkamura ル・シネマ。
急進的に成長する中国の風景、山河に爆ぜる爆竹とダイナマイト、泣き笑いのペット・ショップ・ボーイズ、持てる者のままならなさ、持たざる者のままならなさ。またひとつ人生の虚無に近づくことができた。



5月4日
ヨゴラス・ランティモス「ロブスター」観ました@川崎市アートセンター。
なぜ独身であるだけで人間をやめねばならないのか、世界観の全貌が明かされないあたりがより不気味ではある。恋愛制度に対する思考実験という意味で村田沙耶香『消滅世界』などとも併せて考えていきたい。




地元の友人たちと数ヶ月に一度、Wii の「ゴールデンアイ」をやる集まりがあるのですが、前回からボードゲームを導入(『アンの世界地図』の影響)し、「カタンの開拓者たち」「ブラッディ・イン」で遊びました。全然勝てなかった。帰り道に、SNS を通じて知った同級生の結婚式の件が話題になり「仮に自分が結婚式をやるとして、誰を呼べばいいのか全然わかんないよな」という話をした。

この会合の面子は全員暗いです(性格と未来が)。





5月5日
コミティアに行くつもりだったが、起きられなかった。ブックオフのセールで購入した漫画を読む。きっと可愛い女の子だからは想像以上によかった。



【最近購入したもの】

Record Store Day 限定商品の7インチ。Love and the Krafts をやっていた頃、企画に呼んでもらったことがあります。この数年で US Indie のフォークロックの影響を感じる日本のバンドが登場するようになりましたが、彼らもとてもいいです。少し前にファースト EP をリリースした京都の Easy Yoke もよかったです。


プレスリリースの "有り体な評論言語を透過してしまうような圧倒的熱量と完成度を孕んだ…" にニッコリ。内容、CD と全然違いました。



発売日に購入して聴いて「スピッツの域に到達した!」なんて思っていたら…。

スピッツの後ろにいたタンバリンと口笛担当のスカート澤部さんが気になりすぎる事案が発生 #Mステ - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2146132624164611701


スピッツのシングル CD を購入したのは中2時に部活の大会帰りだかに地元の山野楽器で購入した『正夢』以来…。自分のなかではスピッツのディスコグラフィを区分すると「亀田誠治以降」が「後期」になるんですけど、それももう十数年の歴史があるんですよね。ゾゾーッ。ここ数作のサウンドは圧が強くてあまり好みではなかったのだけど「みなと」の音は優しい。「ガラクタ」もいい。



美ー子ちゃんかわいいですよねえ。



Sandro Perri 周辺の SSW で、Sun Kil Moon のメンバーでもある Nick Zubeck の最新作。ガッツリ Perri がサポートしているので Perri 作品は勿論、『Eureka』とか好きな方は是非。お店には売ってませんので Bandcamp でどうぞ。


《Numero》の発掘モノばっかり買ってて、この2つのボックスは最高。持ってるだけでワンランク上の男になれる。Boddie 〜はクリーヴランドのD.I.Y.ソウル・レーベル、Ork Records は Television のマネージャーが創設したレーベル。特に後者、Alex Chilton とか The dB's 好きな人は絶対手に入れてください。