2015年12月28日月曜日

2015年の音楽

誰かが《エンタの神様》の声で「遅れてきた反抗期〜!」と叫んでいる。つつがない10代を送った者にはありがちなことだが、20代に差し掛かって思春期を迎えることは人生に大きな負荷をかける場合があるらしい。教師を殴るより上司を殴る方が大事になる。「馬鹿?」。いやいや、そういう人もいるんだってば。若い頃 "そこそこ" 順調だったのが、どっかで頭打ちになるということ。葛藤の少ないティーンエイジを送ることができたのはハッピーだ。だが、何も考えないことと引き換えに手に入れた幸福のツケは、いつかは払わなければならない。そういう支払いのことをたとえば「イニシエイション」と呼んでもいいけれど、最初から免除されているおかげで払わずに済む人もいるし、多大な負担を苦に自殺してしまう人もいる。そして僕はといえば……、腹を括りかねている。僕にはみんながそれなりに「人生をやっていっている」ように見えるし、それはすごいことだと思っている。守れない約束なんかするから辛くなるのだろう? 現状がいちばんマシなんてこともないけどさあ……。「世の中がひどい」ことも言い訳にしていたいし、「終物語」の老倉育のように今さら幸せになるのも億劫だ。ダラダラやってる方がラクだなんて本当に中学生みたいで恥ずかしい。だけど、今年はそんなムードが若干の原点回帰をもたらしてくれたような気がする。1位だけは最初から決まってた。ロックは、オルタナティヴであるということはなによりも素晴らしい。「遅れてきた反抗期」っつーか、むしろ最初から僕は "そんなん" だったことを思い出させてくれるレコードだ。そうだ、いつだってひとりになりたかったじゃないか、ひとりであることに苛立ちを覚えながらも。誰かと一緒に聴きたい音楽は、このなかにひとつもありません。

  1. Courtney Barnett『Sometimes I Sit & Think & Sometimes I Just Sit』
  2. PIZZICATO ONE『わたくしの20世紀』
  3. Tyler, The Creator『Cherry Bomb』
  4. Phew『ニューワールド』
  5. Oneohtrix Point Never『Garden Of Delete』
  6. Kamasi Washington『The Epic』
  7. Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』
  8. cero『Obscure Ride』
  9. Joanna Newsom『Divers』
10. ermhoi『Junior Refugee』

11. ECD『Three wise monkeys』
12. OMSB『Think Good』
13. Jenny Hval『Apocalypse, Girl』
14. Arca『Mutant』
15. Viet Cong『Viet Cong』
16. Various Gorge Artists『Ondo Dimensions』
17. SEKAI NO OWARI『Tree』
18. Ava Rocha『AVA PATRYA YNDIA YRACEMA』
19. Julia Holter『Have You In My Wilderness』
20. Marching Church『This World Is Not Enough』

21. Roman GianArthur『OK Lady』
22. Toro Y Moi『What For?』
23. 柴田聡子『柴田聡子』
24. Young Fathers『White Men Are Black Men Too』
25. Titus Andronicus『The Most Lamentable Tragedy
26. Sleater-Kinney『No Cities To Love』
27. Panda Bear『Panda Bear Meets The Grim Reaper』
28. Jamie xx『In Colour』
29. Jim O'rouke『Simple Songs』
30. Milky Wayv『The Best Mixtape You've Ever Heard』

31. Juçara Marçal & Cadu Tenório『Anganga』
32. dCPrG『Franz Kafka's South Amerika』
33. Liturgy『The Ark Work』
34. Deerhunter『Fading Frontier』
35. Tyondai Braxton『Hive1』
36. Sugar's Campaign『FRIENDS』
37. Dr. Dre『Compton』
38. Alfred Beach Sandal『Unknown Moments』
39. Earl Sweatshirt『I Don't Like Shit, I Don't Go Outside』
40. U.S. Girls『Half Free』

41. Donnie Trumpet & The Social Experiment『Surf』
42. Swindle『Peace, Love & Music』
43. Jay Prince『BeFor Our Time』
44. シャムキャッツ『Take Care』
45. Giant Claw『Deep Thoughts』
46. butaji『Outside』
47. Lauren Desberg『Twenty First Century Problems』
48. Leonardo Marques『Curvas, Lados, Linhas Tortas, Sujas E Discretas』
49. 僕とジョルジュ『僕とジョルジュ』
50. Alabama Shakes『Sound & Color』

0 件のコメント:

コメントを投稿