2013年3月4日月曜日

『TUCKER&エマーソン北村 / SPECIAL PRESETS』

















 エレクトーン奏者であり、リズムボックスやターンテーブル、ギターやベースの即興演奏パフォーマンスなどを行うTUCKERと、じゃがたらに始まり、EGO-WRAPPIN'やキセルや斉藤和義などのサポートなど数多くの場で活躍するキーボーディスト、エマーソン北村によるスプリット7inch。カクバリズムよりリリース。TUCKERさんは、去年のカクバリズム10周年イベントの際に東京公演でゲスト出演していて、そのとき僕は初めてライブを観ました。あれはすごいライブだった。シーケンスにあわせてリアルタイムでいくつもの楽器をループさせ、そのうえでオルガンを叩き鳴らす。パンクとソウルがぶつかりあったような、エネルギーのかたまりのようなパフォーマンスだった。鍵盤奏者は、あれくらい派手な人が好きだな〜口から火も吹いてたし。先日、月刊ウォンブ!でMC.sirafuさんと共にイルリメさんのサポートで演奏しているのを見たときは、寡黙(というより、あとの二人がよく喋る人たちだからか)かつ、とても柔和な雰囲気だったのが逆に印象的だった。

 エマーソン北村さんも、リズムボックスと古いキーボード機材を使ったソロパフォーマンスをずっと続けている(実際に観たことはまだない)。つまりは、似たようなスタイルの二人がタッグを組んだepだということだ。内容的には、A面B面ともにエキゾチックでメロウでちょっとスペーシーな、インストゥルメンタル。ただそんなに猥雑な感じはなくむしろかわいらしいコンパクトな音で、さわやか〜に聴ける。風が吹く夏の夕暮れ、晩ご飯を食べたあとの小休止……なんてときにはもってこい!なステディな一枚ですね。やっと冬が終わろうとしているばかりではありますが。ライブで見たようなエネルギッシュな音が聴けるのかな?と思っていたので、それに関しては少し残念。それはまたライブを観に行って、実際に体感するのがいいでしょう。

 必ずしもマスト、というわけではないなと思ったけれど、Shuggie Otisや『Personal Space』に最近グッときている自分としては、やはり好きです。というか、リズムボックスっていいよね……スクエアでチープな音に、無性に心惹かれてしまう。このアナログ、あちこちのお店ですでに品切れになってしまっているようですが、JETSETのツイッターアカウントは「また再入荷する」とアナウンスしていました。







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